君の見た世界のすべて

君の見た世界のすべてが真実とは限らない

いつもどこかで太陽は昇ってる

何もすることのない休みの日なのに早起きしてゴロゴロするのは生産性が全くないことを少女は知っている。
日曜の朝は色んなアニメがしているが、少女はそれらを耳で聞きながら、パンを食べてはゴロゴロ、4.5牛乳を飲んではゴロゴロしている。

怠惰を全身で表現しているのが今の少女である。

合間にザッピングして大阪の市長が出ているニュース番組を見る。
言ってることは筋がと思っているように見えて、毎回違っている主張を繰り返しているように思える。
すべての事柄に否定と自身の主張をするのだから当然といえば当然だ。
自分に異を唱える者には女子高生だろうが容赦せず論破して泣かせているのを見たことがある。
私学助成が無くなることに不安を覚えた16歳の女の子に「壁にぶつかって」だの「最後は生活保護がある」なんて夢のないことを言ってしまうこの大阪の市長はなんて大人気ないんだろうと、高校生になった16歳の少女は評価してみる。

そういえば地方は私立より公立のほうが偏差値が高くて学力のある子じゃないと受からない所もあるのだけれど、大阪はどうなんだろう。
東京は私立のほうが偏差値がいいんだっけか?
などと、自分の偏差値の低さを考えないでレベルの高い学校のことをあーだこーだと考えている様は、日曜日にお父さんがゴルフを見ているときにそっくりであるが、少女はそれは気にしなかったことにする。

そういえば5月21日に金環日食があるというので早起きをして見ようとしたけれど、日食グラスを使おうとしたら曇っていて、曇っているから肉眼で見えたンだけど、わざわざ日食グラスを買うこともなかったかな。通常の日に太陽見ても面白くもないし・・・。
っで、上を見上げながら学校に行ってたら電信柱にぶつかったなんて笑えないし、6月6日の太陽の中を金星通過ってのもあるけど、今度は注意しなくては。
でも日食グラス、使った後どこに置いたっけ?など怠惰の結果を思い出したが探そうともしないゴロゴロ星人ついに地球にあらわる。

少女は思い立って立ち上がるが、日食グラスを探すのではなく、冷蔵庫に向かっている。
この間、スイカを見た気がしたんだけど、いつの間にか半分になり、今見たら全て無くなっているようだ。
少女は食べた覚えはないが、かじった後に口の中の種を出さなきゃいけないスイカがあまり好きじゃないから別にいいやと思っている。
味は好きな方だけど、食べ方が面倒くさい食べ物は他にもあって、ぶどうは皮を取るのが面倒だし、トウモロコシは歯に挟まるのが嫌い。魚も種類によっては骨がたくさんあるのはとんでもなく面倒くさい。
だから少女は骨の心配をしなくていいお寿司が好きだけど、最近回転寿司にも言ってないなと思う。
O157で焼肉にも行ってないが、狂牛病の時から行ってないからずいぶん焼肉屋には足が向いていない。これに関しては家庭の財政事情が関わっている気がしなくもない。

そういえば日食グラスは何処に置いたっけな・・・。

ようやく失くし物のことを思い出そうとしている少女は、ガバッ!と飛び起きた。

英語の教科書に挟んだのだが、それと一緒に宿題のプリントを学校に置いてしまっている。

持ち帰るのを怠けた結果、少女は休みの日に学校に行かなくてはいけないという情けないことになってしまった。

だいぶ日も昇って今日は暑くなりそうだ。