君の見た世界のすべて

君の見た世界のすべてが真実とは限らない

大抵のことは譲り合えば平和になるが、うまくいくとは限らない。

猫が好きな人がいる。
野良猫でも餌をあげたいくらい猫が好きだが、家で飼えない人がいる。

猫が嫌いな人がいる。
野良猫に糞をされて、その上、餌を勝手に家の前にばらまく人に困っている人がいる。

ある日、ついに困り果てた猫の嫌いな人が猫の好きな人に言いに行った。

「もう、うちの家の前で猫に餌をやらないでください!餌をやるなら責任持って連れ帰ってください」

猫の好きな人も怒った。

「猫に餌をやるななんて、あなたはひどい人だ。動物虐待だ」

猫好きと猫嫌いの両方の意見を聞かされる側は、さらに困ってしまう。

【連載】東京でのんびり暮らす外猫たち (39) 後光がさしているドヤ顔の三毛猫 | ライフ | マイナビニュース

ゼロ!  こぎゃんかわいか動物がなぜ死なねばならんと?

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ノラネコの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)

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11回目の夏休みの終わりにわたしの恋は始まりすらしない

「しまった・・・!」
少女は蒸し暑いリビングに降りてきてエアコンのスイッチを押した瞬間に思い出した。
夏休みの宿題がたくさん出ていたのを・・・。

昔から夏休みの宿題を夏休みの前半に済ませるか、夏休みの終わりに慌てて宿題を始めるというふうに、夏休みの宿題は処理されるものだ。
少女は後者のほうで、プリントだのいろいろ教師らが用意していたような・・・気がするが、ひとつも手を付けていなかったのがこの少女になります。

しかもこの少女、姫山愛華(16)は高校2年生。
これまで11年連続で夏休みの宿題を最後に残してきたことになる。

少しずつ部屋の温度や湿度が下がり始めたところで、携帯電話で友逹に電話をかけようとしたが、そういえば今週はみんな田舎に帰ったり、旅行にいくと聞いていたのを思い出した。

「しょうがない・・・」
愛華はようやく自分で宿題をしようと、快適になったリビングから出て、自分の部屋から宿題のプリントの山を持ってくる。
そういえば夏休みが終わってすぐにテストがあるとか担任が言ってたな。
嫌なことを次々思い出してしまう。

夏休みの間、愛華は何をしていたかというと、通常家でゴロゴロしたり、友だちに誘われればプールやお買い物に行ったり忙しい毎日を過ごしていたのだった。
夏休みにも行ってみんなで花火もしたし、夏の思い出がまた増えた夏休みだった。

しかし今、目の前には、かなり分厚いプリントの山がそびえ立っている。

テスト前に丸暗記は得意な愛華だが、数学とかはまた公式を思い出したり(覚えなおしたり)、古文の解読など、手を焼きそうな内容となっている。

残り10日で済ませられるだろうか。
10日連休と考えたら楽しい響きだが、どっちかというと10日しかないネガティブ要素しか材料がない。

今年の夏もこうして終わってしまうのだけれど、また今年も何も出会いも恋愛も兆しも見えないまま終わってしまう。

人がイチャイチャしているのを見ると暑苦しい事この上ないのは私だけ?

愛華は最初の一枚を記入していきながら、麦茶を飲み干した。

おかわりを注ぎに行きながら、夏と言えば第15回の俳句甲子園で地元の高校が11年ぶりに優勝したのを思い出した。*1
今まで東京の高校に優勝を許していたのと、地元の高校の優勝なので嬉しい。
まぁ、自分の通う高校ではないし、向こうのが偏差値高いけれど。

何かに打ち込んでいる姿は美しい。青春してるって感じに見えたのだった。

つまり今の私は美しい。青春している。
まぁ、打ち込んでるのは夏休みの宿題だけどもっ!

愛華はプリントの字が間違っているのに気づいて消しゴムで消しだした。

まだまだプリントの山は終わりそうにない。
11回目の女の子の夏休みにしては、甘酸っぱい展開もない、そんな夏の終わり。

*1:俳句甲子園 地元松山東が優勝 NHKニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120819/k10014383102000.html

高校生が俳句の日本一を競う「俳句甲子園」が俳人・正岡子規のふるさと、松山市で開かれ、地元の松山東高校が11年ぶりに優勝しました。 「俳句甲子園」は、語呂合わせで「俳句の日」とされる8月19日の前後に、松山市で毎年開かれていて、ことしは全国の30の高校から36チームが参加しました。19日は、18日の予選で勝ち上がった地元松山市の松山東高校と、3年連続の優勝をねらう東京の開成高校による決勝が行われました。決勝の兼題は「日」で、それぞれのチームは「母の日」「落日」などのことばを取り入れた5つの句を順番に詠み、5・7・5の17文字に込めた思いを語りながら、相手チームの句をユーモアを交えて批評しました。序盤から松山東高校が優位に進め、4句目に平和への思いを込めたという「背景のなき向日葵(ひまわり)や爆心地」を披露して勝負を決め、11年ぶり2回目の優勝を果たしました。松山東高校3年生のキャプテン、伊藤聡美さんは「自分たちの句、ことばがどれだけ熱いものか伝えられました。先輩を始め、たくさんの人の応援で優勝できました」と喜びを語りました。

キャラクター

※増えたら個別にページ作成

主人公?


名前
姫山愛華
年齢
16歳
性別
女性
身長
153cm
体重
53kg
生年月日
星座
1996年6月6日 水瓶座
出身地
国籍
日本
血液型
O型
髪の色
赤系
利腕
右手
その他の身体的特徴
目が大きい
父親はどんな人
サラリーマン。単身赴任中。たまに帰ってきても忘れられている。
母親はどんな人
いろいろ忙しい人。友逹や近所付き合いに積極的。倹約家
姉妹
兄弟
祖父
祖母
姉19歳と妹11歳
将来の夢
食っちゃ寝
口ぐせ
くせ
だよ?
恐怖
蜘蛛とか足の多い生き物
尊敬する人
お祖母ちゃん
嫌いな人
恨んでいる人
お母さん
その他の
性格的特徴
(長所・短所)
長所:色んな物事に興味をもつが深く追求せず浅く広く 短所:忘れっぽい
親友
幼なじみの同級生の男の子と女の子
ボーイフレンド
ガールフレンズ
いたら一人で買い食いしに行かない
受賞歴 犯罪歴
学歴 資格
校内写生大会金賞
職業
学校
高校2年生


経済状態
普通だが、トイレの電気とか消さないと母親に怒られる。
好きな食べ物
クレープ
嫌いな食べ物
臭い物
特技
寝ながらご飯
特殊能力
食べながら寝る
必殺技
デコピン(妙に強い)
きめゼリフ
だよ!
その他
そこらへんによくいるなんのとりえもない女子高校生
好きな音楽
アニメソング
アイドル
芸能人
水樹奈々

漫画
映画
おおかみこどもの雨と雪
言葉
「悩めるのも生きているからこそ」

サクラソウ
アクセサリー
髪型
肩ぐらいのボブだけど主張系アホ毛がある。
ファッション
女の子すぎないけどスカートは履く。
コレクション
猫の小物

パステル
香り
甘い
芸術
上手いんだけどなにか違うと言われる。
関係している組織
会社
犯罪など
高校。特に部活には入っていない。
スポーツ
跳び箱に体当りする。
乗り物
格闘技
指相撲
好きな場所
土地
屋上
お酒
タバコ
未成年。酔っ払っている人や、道端でタバコを吸う人は嫌い。
ペット
猫の「マヨ」

いつもどこかで太陽は昇ってる

何もすることのない休みの日なのに早起きしてゴロゴロするのは生産性が全くないことを少女は知っている。
日曜の朝は色んなアニメがしているが、少女はそれらを耳で聞きながら、パンを食べてはゴロゴロ、4.5牛乳を飲んではゴロゴロしている。

怠惰を全身で表現しているのが今の少女である。

合間にザッピングして大阪の市長が出ているニュース番組を見る。
言ってることは筋がと思っているように見えて、毎回違っている主張を繰り返しているように思える。
すべての事柄に否定と自身の主張をするのだから当然といえば当然だ。
自分に異を唱える者には女子高生だろうが容赦せず論破して泣かせているのを見たことがある。
私学助成が無くなることに不安を覚えた16歳の女の子に「壁にぶつかって」だの「最後は生活保護がある」なんて夢のないことを言ってしまうこの大阪の市長はなんて大人気ないんだろうと、高校生になった16歳の少女は評価してみる。

そういえば地方は私立より公立のほうが偏差値が高くて学力のある子じゃないと受からない所もあるのだけれど、大阪はどうなんだろう。
東京は私立のほうが偏差値がいいんだっけか?
などと、自分の偏差値の低さを考えないでレベルの高い学校のことをあーだこーだと考えている様は、日曜日にお父さんがゴルフを見ているときにそっくりであるが、少女はそれは気にしなかったことにする。

そういえば5月21日に金環日食があるというので早起きをして見ようとしたけれど、日食グラスを使おうとしたら曇っていて、曇っているから肉眼で見えたンだけど、わざわざ日食グラスを買うこともなかったかな。通常の日に太陽見ても面白くもないし・・・。
っで、上を見上げながら学校に行ってたら電信柱にぶつかったなんて笑えないし、6月6日の太陽の中を金星通過ってのもあるけど、今度は注意しなくては。
でも日食グラス、使った後どこに置いたっけ?など怠惰の結果を思い出したが探そうともしないゴロゴロ星人ついに地球にあらわる。

少女は思い立って立ち上がるが、日食グラスを探すのではなく、冷蔵庫に向かっている。
この間、スイカを見た気がしたんだけど、いつの間にか半分になり、今見たら全て無くなっているようだ。
少女は食べた覚えはないが、かじった後に口の中の種を出さなきゃいけないスイカがあまり好きじゃないから別にいいやと思っている。
味は好きな方だけど、食べ方が面倒くさい食べ物は他にもあって、ぶどうは皮を取るのが面倒だし、トウモロコシは歯に挟まるのが嫌い。魚も種類によっては骨がたくさんあるのはとんでもなく面倒くさい。
だから少女は骨の心配をしなくていいお寿司が好きだけど、最近回転寿司にも言ってないなと思う。
O157で焼肉にも行ってないが、狂牛病の時から行ってないからずいぶん焼肉屋には足が向いていない。これに関しては家庭の財政事情が関わっている気がしなくもない。

そういえば日食グラスは何処に置いたっけな・・・。

ようやく失くし物のことを思い出そうとしている少女は、ガバッ!と飛び起きた。

英語の教科書に挟んだのだが、それと一緒に宿題のプリントを学校に置いてしまっている。

持ち帰るのを怠けた結果、少女は休みの日に学校に行かなくてはいけないという情けないことになってしまった。

だいぶ日も昇って今日は暑くなりそうだ。

やさしさを包むようにチョコクレープを

「つくづく人生がつまらない・・・」男は薄く小麦粉や卵を混ぜた液体を熱く焼いた鉄板の上に落とす。落とされたそれは鉄板の上で焼かれて薄い生地になる。
チョコレートをチューブで何往復か塗り、生クリームにバナナ、そして少量のナッツを賭けてから、記事を3角に折りたたんでいく。

さっきからため息ばかりつきながらクレープを焼いているこの男は60歳目前でリストラにあい、退職金と貯金をはたいてクレープ屋を始めたのだが、この不景気のおり、なかなか経営が芳しくないようだ。
赤字ではないが、材料費や賃貸など引けば収入は雀の涙程しかない。

材料が値上げしても品物を値上げできないのだ。そんなことをしたら他の店に客を取られる事は明白である。

景気が悪い上にガソリンやらで電気代やらで材料となる果物やなんかも値上がりしている。
小麦粉なんかも輸入小麦の政府売渡価格が2011年4月1日より5銘柄平均で18%引上げられたことに伴い一時から値上がりした。
少々の値上がりでもバカにならない負担増だ。

ガソリンにしても消費税にしても現政権の政党が野党の折に値下げを公約に抱えていたではないか。
野党になった今、それらの公約はなかったような扱いになっている。
年金なんて、野党の時には威勢の良かった議員が大臣になったが、前よりもひどい状況に陥っている。
それなのに社会福祉を消費税で補填するなんて矛盾したことを言っているのが首相が一定いるのを見ると、投票したことが情けなくなる。

店が潰れたら生活保護がもらえるわけでもないが、売れてる芸人の母親が生活保護をもらっていると聞くと無性に腹が立つがどうにもならない。

そうこうしているうちにクレープは出来上がり、先程チョコバナナクレープを注文した少女に

「420円です。まいどあり!」

と言ったが、少女は自分の財布に目を落とし固まっている。

どうやら410円しか持っていないらしい・・・

ここで金が無いと言われても困ってしまうのはこちらも同じだ。

クレープ屋の店主は暫く考えて410円で売ることにした。

少女の満面の笑みを見て、それだけが救いのような気がした。

30秒後、すっ転んでクレープを地面に落とす少女を見るまでは・・・

大人になったら数学が役に立つのかな

5月も終盤に差し掛かり木々の緑が濃くなり始めた頃、少女は教室でいつものようにボーッとした頭で授業を受けていた。
いや、いつもなら本来は夢の中にいるのだが、つい5分ほど前に落ちる夢を見たためか体が痙攣したようにビクゥゥ!となって、机の上の物を辺りに落としたことで、数学の教師が投げたチョークがおでこに当り、中途半端に起きている次第である。
自分が悪いのだが、くだらないことで怒られて余計に授業の内容が頭に入らない。

そんなわけで帰りに買い食いをどこでしようかと思案している最中なのであった。

しかしながら高校生の身の上、親からもらうお小遣いもラスト10日ぐらいだから考えて使わないとである。
授業の三次方程式そっちのけで少女は、自分の財布の所持金を御破算で願いましてはと数え残り日数で割り、昼ごはんはパンと水道の水にすれば乗り切れそうだと喜んだ途端、再度数学教師から放たれたチョークが少女のおでこに当たる。

数分後、短い説教の後に高校生にもなって廊下に立たされる少女。
どの道寝てても起きていても授業に参加しないくらいなら学校などやめて就職すればいいようなものだが、常々親からも大学ぐらいは出ていないと就職戦線のスタートラインにもつけない今のご時世と、お父さんの稼ぎが少なくて家計もギリギリなんだから奨学金が貰えるくらい勉強に励むようにと耳にたこができるくらい聞かされている。

その時はアイドルにでもなって暮らせばいいやと夢のようなことを思ったが、先日、大学の奨学金が打ち切られたネットアイドル的な女子大生がカンパを募ったところ炎上しているのを見たため、それだけは辞めておこうと考えを改めた。

「明日からがんばろう・・・」

と、もう何度目になるのか分からないような決意を心に決めていた少女に、教師から席に戻るようにと声がかかった。

帰りのホームルームで、渋谷の駅で人が刺され、刺した男が逃亡しているから注意をするようにと担任が話していた。
あわせて、先程の授業での出来事を聞かされた担任は、少女にもっとしっかり勉強をするようにと個人的に注意を受けた。
どうやって注意すればいいのか分からないナイフ男より、原因の分かっている少女の勉強に対する姿勢を正されるのはごもっともな話だと、担任にまで説教されている身とは思えない思考を巡らせている。

世の中には理不尽なことで事故に巻き込まれることはあるものだ。

京都では立て続けに車が人の列に突っ込む事故が起きているが、交通事故にしても日々何件も発生している。
死亡事故が減っている現状を伝えないままマスコミは免許を持たない少年と被害にあった家族について報道をし続ける。

そうした不幸な出来事に比べれば、自分の頭が悪いことや、こうして授業ごとに教師から説教を受けるくらいどうということではない。
ようやく担任が次からは気をつけるようにと説教を締めくくったところで少女は

「どうも申し訳ありませんでした」

と日頃言い慣れた謝罪の言葉を口にする。

ちっとも反省していない少女であった。

教師の方も、その少女の言葉を信じられないほど彼女のダメっぷりを知っているのだが、あまりストレスを貯めるのは胃に悪いと医者に控えるよう止められたのを思い出してそれでは今日はこれまでというと教室の何処からか起立!という声が聞こえ、全員が立って先生におじぎをする。

ありふれた学校生活のとある1日が終わり、生徒らは帰りの支度を始めてだした。

その中の一人はいち早く教室を飛び出し、授業中に考えていたクレープ屋へと足を進めた。